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レーシングスキー 第六話

<前回までのあらすじ>
僕は高校の時、スキー部に入部する。思い通りにいかない現実に僕は打ちのめされていた。大会の結果は最悪に終わり、冬の合宿は終了した。だがなんとかスキー部を辞めずにいられた。同学年のみんなに励まされていたからだ(今思えば本当に感謝してもしきれない)。そして月日が経ち、学校は3学期を終え、そして春の合宿がスタートした。


冬の合宿が終了した後、僕は大阪にいる間、スキー雑誌を読んではイメージトレーニングに励んでいた。またスキー板も買い換え(OGASAKAというスキー板)、ワックス(スキー板の底に塗るワックスがある。かなり専門的)の勉強も怠らなかった。そして春の合宿の最後には、国体の予選がある。僕はこの試合に全てを掛けるつもりだった。「これで同じような結果なら、もう辞めよう。」そう決意していた。

春の合宿が始まって2、3日すると、僕はイメージトレーニングのおかげもあって、自分でも驚く程の進歩を感じていた。1年生の男子や女子に「上手くなったやん」と声をかけられる程だった。そして滑りをビデオカメラで撮影して、ロッジ雪達磨で研究会が行われた。自分たちの滑りを客観的に見るためだ。そこで写っている僕の姿に驚いた。みんなに負けてない。そう思った瞬間、キャプテンが


キャプテン「百田。凄いやないか。フリーでは、まだみんなに劣るけど、ポール使った滑り(試合形式)をみると、お前が1番上手く見えるで。」


心の底から嬉しかった。あの厳しいキャプテンから、お褒めの言葉を頂いたからだ。スキーだけではないと思うが、ひとつコツを掴むと飛躍的に伸びるものである。僕はその成長期の、ど真ん中にいた。こうなるとスキーが楽しくて仕方ない。同じ1年生同士で、スキー議論をしたり教え合ったり、みんなと同じ土俵に上がれた事が何より嬉しかった。こうなれば春の大会も楽しみである。

春の国体の大阪予選でも僕のゼッケン番号は290番台だった。「冬では完敗に終わったが、今回はそうはいかないぜ」そんな心境だった。自信があった。そして結果は127位(だったと思う)。以前も話したが大会参加人数(男子)は300人を超える。その中で120位台というのは、僕にとって賞賛できる順位だった。何せ1年生男子で一番遅いものの、前回からは170位も順位を上げた。

そして2年生、そう、キャプテンは今回の大会が引退試合である。だがキャプテンはコースアウトで失格になってしまった。やはり全国という壁は相当高かった。あのキャプテンですらプレッシャーに打ち勝つ事ができなかった。実力は、きっと全国でもトップレベルであってもだ。そして僕らの代にキャプテンを引き継ぎして、引退して行った。キャプテンが引退する事は、僕らにとって大きかった。まずキャプテンほど、スキーが上手い人間が僕らの代にいない事。そしてキャプテンほど、チームを引っ張れる人間がいない事。だがスキー部は継続しなければならない。僕らが成長するしかなかった。

新キャプテンには、僕の大親友Kが選ばれた(当時はそれほど仲良くなかったが、後に心の友となる)。アルペンの選手だ。実力も1年男子の中では1番だ(3人ですが)。そして僕らは2年生になった。新入生も入って、新しいスキー部になった。アルペン、ノルディックは1年の判断に任せたりもした。そして僕はまたイメージトレーニングや筋トレの日々が続いた。


月日が経ち、冬の合宿中に行われるインターハイ予選がやって来た。僕のゼッケン番号は90番台だった。上の年代の人達が引退したため、ゼッケン番号が比較的、良い番号になっていた。そして相変わらず300人を超える参加者がいた。そしてスタート台に立った。緊張の一瞬である。この試合で入賞すればインターハイ出場が決定する。6位以内が目標だ。だが前回のインターハイ予選の順位は290位だ。普通に考えれば、僕がインターハイにいける訳がない。そう思っているうちに、僕のスタートの合図がなった。



つづく(次回、感動の最終話!?)

  1. 2005/10/22(土) 01:41:39|
  2. | トラックバック:0
  3. | コメント:7
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コメント

どきどき。

いやぁ。良い所で「続く」にしましたねi-198なんて心憎い(笑)

褒められると嬉しかったり、コツを掴むとどんどん楽しくなったりする。とても共感できますi-179
あたしも今、仕事でそんな心境でいるので、よく分かります。

感動の最終話(?)も、非常に楽しみですi-237



  1. 2005/10/21(金) 00:03:10 |
  2. URL |
  3. ひろ #mQop/nM.
  4. [ 編集]

うわ~

170位も!?すごいっ!!
留衣君は頑張ったんだな~って思いました
それにキャプテンの言葉が暖かく感じました

背中を押されるともっと前に進めますよね
それに同じラインに立つ仲間がいると強くなれる
ちょっとだけ自分の高校の頃を思い出しました
自分は恵まれてたなって思ったら
…心のままには涙を流せませんが、グッとくるものがありました


次で終わりに…なるんですか?!
  1. 2005/10/21(金) 01:04:48 |
  2. URL |
  3. again #R9srEaqY
  4. [ 編集]

1/300

ゼッケンの番号や順位そんな1つ1つの数字まで
しっかり(危ういところもありましたが。笑)記憶の中に
刻まれているんだなぁ~と思うと、最終回を前にして既に感動です!
留衣さん…頑張ったんですね…(涙)キャプテンの言葉。
きっともうずっと忘れることはないんでしょう。
視点を変えて、300人中の1人としてみてみました。
その1人1人に今までのようなストーリーがあったこと想像しながら
今日はもう少し起きていようかなと思いました。
(いや300人分はきついか!寝ま~す。)
  1. 2005/10/21(金) 02:02:53 |
  2. URL |
  3. トミィ #-
  4. [ 編集]

眠くて目がかすむ

がんばれぇぇぇぇ。
と応援したくなるようなラストですね。
想像しちゃいました。私がコースの横で応援してるのは明らかに間違った妄想ですが。(ですよね?)
くぅぅじれったーい(><)
  1. 2005/10/21(金) 02:35:02 |
  2. URL |
  3. aona #-
  4. [ 編集]

がんばればきっと結果はついてくるんだなぁ~。
ほんとにそう思いました。最終回、インターハイに行けなくても私の中では
既に、インターハイで優勝してますよv-20
最終回とても楽しみにしてます。
  1. 2005/10/21(金) 23:37:52 |
  2. URL |
  3. たま #-
  4. [ 編集]

感動なり・・

ルイ君、感動したぞ・・!!
そんなに賭けてた意気込みに感銘しました。
  1. 2005/11/09(水) 20:37:28 |
  2. URL |
  3. shige #-
  4. [ 編集]

すごく感動した・・!!
ルイ君がこんなに熱くクラブをしていたなんて・・!
感銘を受けました。
お互い舞台が違うけど頑張ろう!!
ちなみにやっと俺は、一昨年大会で優勝したよ・・!
  1. 2005/11/09(水) 20:40:14 |
  2. URL |
  3. しげ #-
  4. [ 編集]

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